占い師として喜びを感じる瞬間

3年ほど前です。その頃は路上で鑑定をしていたのですが、まあ、あまり結果は芳しくなく、いい加減どこかの店舗に所属したほうがいいのかなと思っていた頃のことです。いつもどおり路上でお客さんがくるのを待っていると、顔色の良くない女性がいいですか?と聞いてきました。久しぶりのお客さんに嬉しくなって二つ返事で承諾、すぐに得意の透視で何に悩んでいるのか探りました。すると、家族関係が良くないようだったので、「ご家族の悩みですか?」と聞いたところ、女性は驚いたように「父親と仲違いをしてしまって・・・」と話し始めました。喧嘩した父親との関係が修復できるかというお悩みでした。まずは丁寧に話を聞き、彼女の心情を和らげてあげます。それから占い、解決策を見つけ出し、お伝えします。女性は納得のいっていない様子でしたが、やるだけやってみます、と帰っていかれました。
それから1週間後、またその女性がやってきました。今度は嬉しそうな顔です。「占い師さん!あの時に言われた通りにしてみたらちゃんと父親と仲直りできました!」そう嬉しそうに話す女性にこちらまで嬉しくなりました。
結局それでも集客は良くないので占い店の募集に応募して所属の占い師になりましたが、あの女性は今でも店舗の方に来てくださって、悩みや結果をお話してくださいます。こうして誰かの力になって喜んでもらえるのが私の喜びで、そんな私を気に入って何度も利用して下さる方がいるというのが今一番嬉しいことです。

アドバイスをするということ

冬が近づくと、私のもとには若い相談者さんが多くやってきます。卒業を控えながらも就職に悩んでいる学生さんです。
先日も一人、まだ就職先が決まっていないと相談に来られた方がいました。その方の話では就職先を高望みしているわけでもないし、身の丈にあったところを選んで、真摯に望んでいるはずなのに報われないとのことでした。
占い師のタブーとして、合否などは占えないというものがあります。占えますが、相手には伝えられません。なので就職できるかではなく、どうしたら良い方向に動けるのかということを占わせていただきました。
すると、その方はとても高い能力があるけど、うまくい生かせていないようでした。そこで学生さんをよく見ます。自信なさげに背中を丸めてうつむき、髪の毛で顔を隠している姿は、とてもじゃないけど能力のある人には見えません。そこで背筋を伸ばしてしっかり前を向くこと、前髪は切るか上げるかして顔を出すこと、この二点をお伝えしました。
結果どうなったのかは私の知るところではありません。しかし、あの学生さんが背筋を伸ばして明るい顔で街を歩いているのを見かけたときは、とても嬉しくなりました。